金谷俊一郎氏のコラム
第1回:『1930年代の世界』
第1回:『1930年代の世界』

2008年9月のリーマンショックによりニューヨークダウ平均株価は、史上最高値の14,000ドル台から、
わずか3ヶ月でほぼ半値となる7,000ドル台に落ち込みました。
リーマンショックは、あれから2年経った今でも、世界中に深刻な不況の影を落とし続けています。

このアニメの舞台となるのは、1931年。
この2年前の1929年10月には、世界恐慌が発生。
ニューヨーク株価は、史上最高値の380ドル台から、わずか3ヶ月でほぼ半値となる180ドル台にまで落ち込みました。
翌1930年には恐慌の波は日本にも波及。1931年は奇しくも、その世界恐慌からの脱出に、まさに世界中がもがいている真っ只中でした。

しかし、この世界恐慌の影響をほとんど受けることの無かった国がありました。
それがこのアニメの舞台となる中国です。
中国は銀本位制をとっていたため、金価格の暴落による世界恐慌の影響をほとんど受けなかったのです。
上海におかれた租界と呼ばれる欧米列強が中国から領土の一部を借り受けていた地域は、この時期まさしく黄金期を迎えていきます。
租界都市上海は、摩天楼の地上の楽園と化していたのです。
しかし、それは魔の楽園への序章でもあったわけです。

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